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みどりの東北元気キャンプ2012について(13)未知なる課題に取り組むための工夫(3)「どうする?」「どうしたい?」

 

この記事は、みどりの東北元気キャンプエピソード(2)どうしたい?と問うこと・・・と関連しています。併せてお読みください。

◆「自分で選んだんだから」などとは言わない◆

 

活動を選択して選んだとしても、どの活動も簡単なものではありません。なりたい自分と、現実の自分とのギャップに打ちひしがれるのは、人生ではよく起きる話です。そのとき、「自分で選んだんだから・・」というセリフは慎みたいものです。その瞬間、それ以降の活動は、「選ばされたもの」に変質していきます。周囲のかける声の「自己責任」という言葉の冷徹さを、日本人はもう少し気づく必要があるように思います。

写真はカヌーを自分たちで作って、湖の浮かべて乗ろうという企画のときのものです。

実際に作り始めると、完成までに2時間以上かかります。この日は、猛烈に暑い日でした。

じりじりと夏の太陽が照りつける中、暑さにもめげないで、作成を続けているお子さんも、もちろんいます。

電気ドリルで、熱心にネジを打ち込む子どももいます。ロープでしっかりと、浮力をえるためのポリタンクを結ぶ子どももいます。

3.5㌔先の無人島を目指した仲間のカヌーが湖畔を離れ、見えなくなってからこの作業に取り掛かった時には、恐らく、カヌーの連中を見えるところまで追いかけたいと思っていたはずです。

作業が進むにつれて、果たして午前中に漕ぎ出すことができるだろうか、と不安になるほど、時間のかかる作業であることが分かってきます。

心の不調がでてくるとき、子どもは身体の不調を訴えます。「足の虫刺されが痛くなってきた」「昨日、湿布が取れちゃった」などなど。医療班の薬剤師さんが、このグループに付きっきりになりました。

 

◆しんどさに寄り添い、「どうしたい?」「どうしようか?」と尋ねる◆

このグループでは、このときに一番元気を失っていたお子さんです。顔が分からないように、わざと写真を暗くしていますが、今にも泣きそうな表情です。

熱中症が起きないように、お水と氷砂糖を与えた後で、心理スタッフが声をかけています。医療スタッフが身体のケアをする一方で、心理スタッフが「暑くて、嫌になっちゃうわよねー」と声をかけながら、氷砂糖をあげた瞬間です。

「どうする?もう少し休んでいる?」

「もう少し休んでいなさい」ではありません。「元気を出して、あと少しでできるんだから」でもないのです。ここで必要なことも、「選択」をさせるということです。

本当に大変であれば、この活動からリタイヤすることも、「選択」の幅に入れることもあります。仮に活動からリタイヤすることであっても、自分の判断で行うことであれば、そこにOKを出していきます。自分でそれをしないと決断したときに、それは、活動から逃げ出したことにはならないからです。

「どうしたいのかな?」「どうしたいと思っていたんだっけ?」「どうしようか?」

「自分が何をしたくて、その活動を選んだのか」の原点に返るとき、子どもは、決して活動を止めるとは言いません。もちろん、「手伝おうか?どうする?」と尋ねて、手伝ってほしいというのであれば、手伝います。

このスタンスでいることが、活動で起きる不快感を越えていくために、とくに重要な関わりになるのです。

湖に漕ぎ出したとき、この写真の次の瞬間、最後尾に座った先ほど泣き出しそうにしていたお子さんはにっこりと笑って、ピースサインを岸に送ってくれました。