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5月23日事前研修会「キャンプの神様にゲームの進め方を学ぼう」大熊先生(くまG)による解説|取り組む意欲を高める大橋先生(GG)のトークに見る神業

ファシリテーターは、活動をさせる人ではありません。ファシリテーターとは、参加者の活動を促す人です。

これを間違えると、ファシリテーターから何かやらされただけの活動になってしまうのです。

【活動をさせる(取り組む意欲を殺ぐ)トーク】
円を作った後、参加者の腕の上にボールを乗せました。その時、ファシリテーター役になった若手の方は、このように言ったのです。

「それでは、このボールを3回腕の上を回して、最後に真ん中の穴の中にボールを落として下さい。」

「始め」

その時、参加者としてどんな気持ちになりましたか?

参加者として指示された事をやらなければならないという気持ちになってしまうのです。これでは、活動をさせられると言うことです。

【取り組む意欲を高める大橋先生の神業トーク】

大橋先生はこのように言っていたのではないでしょうか?マシンガントークは省きます。
「それでは、この腕の上にボールを乗せます」【言語】

「上手に転がせますか」【動作提案】

「おお、上手ですね。」【確認・意欲づけ】

「それじゃ、3回転させて、そうだなあ。最後に真ん中の円にそのボールを落とすことができますか?」【動作提案】

・・・「できそう!!」

「それじゃいきますよ」

「どうぞ」

「わーーーーーーできた!!!」

「そのゲームは実は、前回のこの場所でできたゲームなんです。」「ネットで紹介されたつながる日の写真にも使われた」とか「いろいろなところでやってみた」とか「その場でできるんですよ」とかいろいろとマシンガントークが続く・・・・・

さあ、2つの違いが分かりましたか?前者は明らかにやらせていますね。

神様は、皆さんのやりたい気持ちを高めて活動に取り組ませているのです。これを使い分けられるようになりましょう。

5月23日事前研修会「キャンプの神様にゲームの進め方を学ぼう」大熊先生(くまG)による解説|適切な指示をする大橋先生(GG)のマシンガントークに見る神業

今回若手で意欲のある方がファシリテーター役を買って出て頂きました。本当にありがとうございました。そのためか、指示の言葉がとても丁寧でした。例えばこんな感じです。

【若手ファシリテーターの言葉】

「各班ごとに円になって下さい」

「内側に一歩進んで下さい」

「内側を向いて下さい。隣の人と肩と肩がくっついたでしょうか」

これでは、肩と肩がくっついた方がいいのか?それとも、くっついてはいけないのか?分かりません。事前に一度やっていますから、皆さんはそれを想起して肩と肩をくっつけていましたが。初めての参加者でしたら混乱したことでしょう。


【キャンプの神様大橋先生の言葉】

大橋先生は、これを一度で言っていたはずです。

「隣の人と肩がくっつくように近づいて円を作りましょう」

とその後マシンガントークで皆さんを笑わせます。その様子を再現しましょう。

 

【キャンプの神様大橋先生の神業マシンガントーク】

「わーつ早いですね」【確認と勇気付け】

「それでは、次に右を向きますが、右と左分かりますか。間違いないで下さいよ。右ですよ。右。ハイ向いて下さい。」【言語】

「誰も間違わなかったですね。」【確認と勇気付け】

「たまにいるんです。右向いて下さいと言ったのに、左を向いて顔見合わせてしまう人が」【間違えた人がいないことを分かってのジョーク】
「わっーーーー」・・・・・笑いの渦・・・・・

「それでは、前の人の肩に手を置いて下さい」【言語・動作】

「そう、いい感じですね。」【確認】

「少し肩をもんで上げましょう。」【言語・動作】

「もういいですか。」【確認・言語】

「それでは、左手を 今度は左で すよ左、そう、皆さんの円の中心の方に向かって差し出して下さい」【言語】

「そして、FBの「いいね」のよう親指を上に向けて下さい。」【言語】

「そうそう、いいですね。」【確認】

「それを このように横に向ける。」【言語】

「そうです。反対にすると苦しいですよね。」【確認・仮に間違えた人がいても、それでOkという意味になります】

「後ろの人の親指をつかめますか。」【言語】

「おっつ。つかめる。」【確認:先にトライしている人の動きを確認し、フィードバックしながら、モデルとなっていると呈示】

「皆さん、つかんでみて下さい。」【言語】

 

こんな感じではなかったでしょうか。すべての人がマシンガントークができるわけではないと思うのですが、何をしなければならないかは的確に伝えていること が分かりますか?

それも、参加者がどのように動けば良いかしっかり理解したことを見計らって、指示を出しているのです。これが、神業なのです。

5月23日事前研修会「キャンプの神様にゲームの進め方を学ぼう」大熊先生(くまG)による解説一言語、一動作、一確認

5月23日は、「キャンプの神様にゲームの進め方を学ぼう」と題して福岡県キャンプ協会会長   キャンプの神様こと 大橋光雄先生 に講師をお願いして事前研修会を行いました。そのことについての大熊先生(くまG)による解説です。

キャンプの神様こと、大橋先生に野外活動について教えて頂きました。最後に、参加された方々に大橋先生から教えて頂いたアクティビティをティーチバックして頂きました。その時の振り返りを忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

1 伝えたい活動内容が理解されているか確認しながら話をすること

ファシリテーターと参加者の関係は100対0であることをいつも頭に入れて内容を伝える必要があります。100対0とは、ファシリテーターに伝えたい内 容が100あっても、参加者は0であると言うことです。これは、学校の授業より厳しい関係と言えます。なぜなら、生徒の中には塾ですべての内容を学んでき ている者がいるからです。ですから、多少説明がつたなくても伝わることがあるのです。そのような状況にもかかわらず、分からないで困っている生徒に対し て、「よく聞いていれば分かるんだよ」なんて言ってしまうのが先生なのです。
そんな先生に、ゲームの指導をさせると「しっちゃかめっちゃか」になってしまうのはそのためです。ですから、一つの指示をしたらそれが伝わっているか確認し、伝わっていないようであれば、指示をし直すことが大切なのです。それをあまり繰り返すとアクティビティがだれてしまうので、一言語、一動作を守るこ とが大切なのです。

 

【悪い例】一度にルールの説明をしてしまう例

「始めに記念撮影をします。皆さんに後ろを見てもらっているうちに、どこか動いてもらってどこが動いたかを発見してもらいます。」→

 

【一言語、一動作、一確認の例】

「このように一回記念撮影をします。」【言語】

記念撮影をさせる。【動作】

「この様子を皆さんは、自分の心のカメラで撮影するのです。」【言語】

「パシャ」【動作】

「撮影できましたね。」【確認】

「それでは、皆さんに は後ろを向いてもらいます」【言語】

「記念撮影をした方は、一カ所だけ動きます。」【言語】

「それを、皆さんに当ててもらうのです」【言語】

「ゲームの仕方は分かりましたか。」【確認】

「それでは 始めます。」【言語】

 

 

事前研修会解説(6):PTG(外傷体験後成長)を目指すー持続可能な社会の構成者を育成するキャンプの基礎理論

みどりの東北元気キャンプは、2014年に大きく変わりました。「持続可能な社会の構成者を育成するキャンプ」の考え方が加わったのです。これはいかにも難しい考え方です。

以前にも紹介しましたが、大熊先生が2014年の事前研修会でこの考え方の根本をできる限りやさしくお話しています。以下のビデオでご覧ください。

クリック⇒ https://www.facebook.com/genkiprogram/videos/vb.404032116384623/556149161172917/?type=1&theater

目の前の幸せ、子孫のことを考えず自分の世代だけの幸せをついつい求めてしまう人間の性(サガ)に抗いながら、子孫の幸せ、人類の幸せを考え、半歩でも一歩でも手を携えて歩んで行くことができる人が「持続可能な社会の構成者」です。そのような人を育てるキャンプに2014年から変わったのです。

 

なぜ、持続可能な社会の構成者を「みどりの東北元気キャンプ」で育てなければならないのでしょうか。

 

これまでの「こころのケア」のキャンプではなくなったのでしょうか?それとは何が異なってくるのでしょうか?

写真は2015年2月15日の南相馬です。何も変わってはいません。

これは天災の結果ではありません。原子力災害という人災によるものです。

この場そのものの復興が可能かどうかは別としても、ここを故郷としていた人たちが、その子ども達が、ここを心のふるさととして、それをこころの糧として、それぞれの地で復興の担い手となっていくこと、担える力を育むようにこのキャンプはありたいと考えたのです。

辛かった体験を、こころの糧として、以前にも増して人として大きく成長していける人を育てること、その成長の種を植えること、そのことが、このキャンプの大きな目的となったのです。

「持続可能な社会の構成者を育成するキャンプ」とは、「PTG(外傷体験後成長)を目指すキャンプ」であり、それは「未来の復興の担い手を育てるキャンプ」であるのです。

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事前研修会解説(5):反省的実践家を育てる;「自分で振り返る」ための振り返りをどう行うのか

「持続可能な社会の構成者を育成する」とは、「未来の被災地復興の担い手を育てる」と言い換えて良いと思います。私たちも優れた「反省的実践家」にならなければいけませんが、目の前の子ども達も、「反省的実践家」として育っていってほしいと願っています。

 

反省的実践家の「反省的実践(reflective practice)」とは、行為がおこなわれている最中にも〈意識〉はそれらの出来事をモニターするという反省的洞察をおこなっており、そのことが行為そのものの効果を支えているとする考え方(ドナルド・ショーン)から名付けられたものです。

 

被災地は、まだまだ厳しい現実の中にあります。日本全体も厳しい世界に突入していきますが、その中でも、一番厳しい現実が被災地には横たわっていると思います。一人では解決が難しい課題がたくさんあります。手を携えて、関わるメンバーで目標を定めて進まねばなりません。その目標達成を果たすために、個々人が 具体的な目標となる行動を定めて、計画をし、実行をし、振り返らねばなりません。「たえず 新たに よりよい」方向に軌道を修正していくこと、これができ る「反省的実践家」を数多く育てていくことが、被災地の未来を大きく変えていくに違いありません。

 

復興を担うのは私達ではありません。キャンプ場で出会う被災地の子ども達なのです。

 

 

ですから、2014年から「子どものこころのケア」に加えて、新たに「持続可能な社会の構成者を育成する」という目的が加わったキャンプでは、「自分で振り返る」力の育成が最も重要なことになったのです。キャンププログラムで最も大切にしたいのが、「振り返り」の時間になったのです。

 

5月3日の「振り返り」では、支援経験者に「事前研修の振り返り」の時間にファシリテーターとなることを求めました。

子ども達に適切な振り返りを行うために、どのように行うことが重要なのかについて、昨年の事前研修会で大熊先生(くまG)が行った解説付きの「ゲームの後の振り返りの仕方」のビデオを視聴していただき、振り返りに入っていただきました。

 

そのビデオは以下から見ることができます。

https://www.facebook.com/genkiprogram/videos/vb.404032116384623/556277354493431/?type=1&theater

そこでは、次の点が強調されています。

1.活動の最中にも、子どもが内に秘めている言葉を言語化して関わる(大事なところを繰り返す)

2.子どもの言いたいことを再現性の高い言葉に言い換えて渡す

3.突っ込む(オープンクエスチョン)

4.子どもが語れたことを喜んで100倍にして返す。しかし、「それが良い意見」などと決して価値付けない。

5.ぼける。子どもの発言と少しズラして返すことで、発言をより的確な語りへと導いていく。

 

最後の2枚のスライドは、ラウンドテーブルの際に早川先生(けんごん)が示したスライドです。基本はこの応答です。この応答に上記の5つのワザが適度に入っていったときに、実りのある「振り返り」ができることになります。

反省的実践家とは、このようなことを自己会話できる者だと思います。そのためには、本当に素晴らしい「振り返りだった」と思える振り返り体験となるように、支援者には適切な関わりが求められているのです。

 

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